今年の夏のサイクリングの拠点にルルドを選んだのはツール・マレー峠やオービスク峠へのアクセスの良さとパリからTGVの直行列車があったからでした。さらにルルドはカトリック最大の巡礼地であり、この時期はサンクチュアリ(聖域)をたくさんの信者が訪れます。この街に来ればキリスト教とヨーロッパの人々の関係を肌で感じることができるのではないかと考えたのでした。これは宗教や信仰というものから最も遠いところで生きている私のような人間にとって未知の体験です。少しためらう気持ちもあったのですが、聖域を目指す信者の群衆に流されながら私も聖域へ足を踏み入れたのでした。そこで目にした信者の多くは高齢者や障がい者、病者であり、ボランティアの介助を受けながら長い列(聖体行列)をなして聖域の中を歩きます。どことなく誇らしげな彼らの様子を見ながら、私はただその場に立ちつくすばかりでした。そして、夜になると今度はロウソクを持った信者たちが集まり、賛美歌を歌いながら聖域の中を歩きます(ロウソク行列)。とても素朴で簡単なそのメロディは信者でない私にとってはむしろより強く胸に響くものでした。私はその歌声に圧倒されるばかりで少し離れたところからその光景を見るのが精一杯でした。
ルルドの聖域での体験は私に新たな問いへ目を向けさせるものとなりそうです。
この門から先が聖域です。
聖体行列
ロウソク行列(動画)


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