2015年3月8日日曜日

ドイツ音楽旅行-05

ベルリンフィルのジルベスターコンサート
いよいよ今回の旅のメインイベントであるベルリンフィルのジルベスターコンサートの日が来ました。簡単には取れないと言われているチケットがなんど2週間前にベルリンフィルのweb siteから購入できました。同じプログラムのコンサートはこの時期に3回行われるのですが、当然この日はアップチャージされており、良い席だったので€244とかなり割高でした。でも、こんなチャンスはもう二度とないかもしれないと思い、残り数席の中の一つをクリックしました。観客の一割くらいは日本人だったような気がします。e-ticketが普及しているはずのドイツですが、この日は劇場のボックスオフィスで紙のチケットを受け取り、入場しました。チケットのデザインもカッコイイです。前回ベルリンフィルを聞いたのは2年前のパリでしたがその時の印象は一言で「完全無欠」。まるでCDを聞いているかのような演奏でした。今回はどんな演奏を聞けるのでしょうか。























モーツァルト ピアノ協奏曲第23番K.488
この日のゲストはピアニストのメヘナム・プレスラー。今回初めて聴いたピアニストです。91歳という高齢で昨年のラン・ランとは対照的です。とても柔らかい音色でテンポも自由に動くのが印象的でした。フランスっぽい感じかな。タッチが弱いのでダイナミックレンジは狭いのですが優しさに溢れた演奏でした。

Dance Music
モーツァルトのピアノ協奏曲以外はオーケストラによる舞曲が数曲演奏され、フランス、チェコ、ドイツ、ハンガリー、アルメニアといったヨーロッパとその周辺の舞曲は多彩な響きを聴かせてくれました。リズムが前面に出たきらびやかでゴージャスなサウンドが次々と押し寄せてきます。ベルリンフィルのアンサンブルは完璧だ!ホントに上手い!




















終演後、ホールの外にでるともうベルリン名物の大晦日の爆竹が鳴り始めています。
小雨煙るベルリンの街はとても幻想的で楽しい大晦日でした。




2015年3月1日日曜日

ドイツ音楽旅行-04

ライプツィヒの第九
年末にベートーヴェンの第九を演奏するのは日本独特らしいのですが、ドイツではライプツィヒのゲヴァントハウス管弦楽団のみが年末に演奏するみたいです。とてもキビキビした演奏で日本の年末の第九(?)とはすこし趣が違いました。ちょっと盛り上がりに欠けるかなぁ。



















ライプツィヒ中央駅での"a little help"
ベルリンへ帰る列車は予約してあるので切符に書いてあるプラットホームで列車の到着を待ちます。ヨーロッパ最大の駅だそうです。確かに大きです。しばらくするとドイツ語のアナウンスが聞こえてきますが、意味はよく分かりません。でも何となく私が乗る列車のことのようなので、ホームにある小さな電光掲示板を見ると何やら通常とは違うメッセージが流れています。慌ててスマホのネット翻訳で調べると「15分の遅れ」 だとわかりホとしました。そして珍しくホームにコーヒーの自販機があったので飲みながら待つことにしました。しかし到着予定の時間になっても列車はきません。気がつけばホームには私しかいません。おかしいと思いもう一度電光掲示板を見ると「heute  gleis 8」みたいな掲示が流れています。私のチケットには「platform12」と書かれています。
私が一人で困っていると少し離れたところにいた除雪作業員が近づいてきました。私は自分のチケットを指し、恐る恐る「Where is my train?」と訊ねました。その作業員は黙ったままポケットからボールペンを取り出し、私のチケットの「12」を二重線で消して「8」と書いてくれました。私はやっと状況が理解でき、お礼を言うと8番ホームへ走りました。8番ホームではちょうど列車のドアが開き乗客が降りてきたところで間一髪間に合いました。蛍光色の反射帯のついた防寒着を着たその作業員は終始無表情でしたが肝っ玉母さんのような女性でした。旅先で受ける"a little help"は心に沁みます。