『せっかくだから、プラハのオペラも観よう』
早速webで調べるとその夜は2つの劇場でオペラの上演が予定されていたのですが、ボックス席が残っていた国立オペラ劇場のチケットを取ることにしました。webでカード決済して、ホテルのビジネスセンターでチケットをプリントアウト。本当に便利な世の中です。
2時すぎにホテルを出て地下鉄で劇場の最寄り駅へ向かいました。20分ほどでついてしまう距離です。開演まではまだ時間があるので近くの美術館を観たり、ヴァーツラフ広場を散策します。20数年前にここで民主化デモが行われ、ビロード革命が成立したのですが、プラハの人々の素朴でとても穏やかな人柄を考えると当然のことのように思えます。
国立オペラ劇場
開演は19:00ですが18:00くらいから劇場入口に観客が集まり始めます。しかし、ドアが開くことはなく、寒い中誰も文句を言わずに開場を待ちます。ヨーロッパらしいですね。
この日のプログラムはヴェルディの「ナブッコ」です。もちろん、予習してません。一体どんなオペラなのでしょう。それでは劇場の中に入ります。
こじんまりしていて吹き抜けのホワイエこそありませんが、内装は豪華絢爛です。
昨夜のウィーンではすっかり舞いがってしまいオーケストラピットを見るのを忘れてしまいましたが、今夜はじっくり観察しました。意外と少人数編成です。なぜかドキドキします。
そして、劇場の中を見渡すと…これぞオペラ座。
平土間(Parkett)の席の場合は案内係が席まで案内してくれ、お礼にその日のプログラムを買うという習慣のようです。右端に写っているプログラムを抱えた女性がその案内係です。
昨夜の"LA CENERENTOLA"はコミカルなオペラ・ブッファでしたが、今夜の"NABUCOO"は本格派でした。正直始まるまではプラハはウィーンに比べたらローカルだし、値段も安い(ほぼ同じ席で1/4)し、それなりかなぁなどと勝手な想像をしていました。
しかし、それは間違いでした。ごめんなさい。反省します。
ウィーンのような現代的な演出はないものの、オーソドックスで練り上げられた舞台は安心して観ることができました。とにかく見せ方がうまい。群衆が登場する場面は滑らかで綺麗な動きがとても印象的でした。
歌手陣ではアビゲイル役のAnda-Louise Bogzaが圧倒的な声量と存在感を示していました。カーテンコールでは主役のナブッコ役の歌手より大きな拍手を受けていたくらいです。
Anda-Louise Bogzaの動画
劇中で歌われた合唱曲が耳に残り、後で調べてみると「行け、我が想いよ、黄金の翼に乗って」という歌であり、イタリア第2の国家と呼ばれるほどに親しまれているそうです。確かにどこかで聞いたことがある気がしました。サラサラと流れるその旋律はタイトルそのものです。好きな歌がまた一つ増えました。
この世界は驚きと発見に満ちている。
音楽という深い森を歩く旅はこれからも続くのです。












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